ぶつぶつノート ~ごはんおかわり~

たとえアイコンがうさぎになろうとも、ヒト型ネコはゆずらないっ!
ごはんおかわり! お茶も!
あ、ぶぶ漬けでもどうですか?

カテゴリ:旧「きよこ館」記事 > 「きよこ館」地域情報資料室

 2011年は卯年です。うさぎ年です。
 うさぎってかわいいですよね、十二支の中で。よその国では猫年のところもあるそうなのですが、猫年のない日本の十二支では、異論もあるかと思いますが、断然うさぎがかわいいですよね。
 そんなかわいいうさぎさんたちのいる京都の社寺を2つ紹介しましょう。

 茶どころ・宇治は三室戸寺。紫陽花やツツジなど四季折々の花で有名なお寺です。私も、訪ねてみたのは紫陽花の頃。「かの有名な三室戸寺の紫陽花を、我も見む」とて、行ってきたのはいつのことか。そう、紫陽花目当てで行ったら、うさぎに出会ったのです。

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このようなうさぎです。うさぎの表情がなんともいえません。と、いいつつも私の写真ではわかりづらいかもしれないのですが、ご容赦ください。この時はうさぎ目当てで行ったわけではなかったためか、うさぎの写真が少ないのです。
 このうさぎさんは、福徳兎さんとおっしゃるそうです。持っているのはもちろんボウリングの球ではありません。写っているおねえさんは私のお友だちですが、うさぎのかゆいところを掻いているのでもうさぎから何かを盗もうとしているのでもありません。
 この球の中には卵形の石が入っていて、あの穴から手を入れて卵をうまく立たせることができたら、えーと、願いが叶うとか運がいいとか、そういうことだったと思います。ちょっと難しいけれど、できないこともない、というくらいの難易度です。右にあるのがその中の写真です。


 さて、新年に当館の表紙をかざってくれ、なおかつ私の年賀状にも登場したのは、こちら。岡崎神社の狛うさぎ。岡崎神社はうさぎで有名のようです。
 初めて訪れたのは昨年末。もちろん年賀状用の写真撮影。狛うさぎの前まで来たら、萌エ~!とか叫びたくなるくらいの愛らしさに悶絶するかと思いました(叫んでないし悶絶もしてない)。そんな狛うさぎさんをどうぞ。

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ちゃんと阿形と吽形の対になってます。どっちも可愛いねぇ。実は、この卯年のために建てられた(作られた?)もよう。卯年生まれのうさぎになってました。

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 そして奥(本殿入り口)には招きうさぎ。手水舎には、黒御影石のうさぎさん。うさぎは多産安産だから、子授け・安産祈願によいのですって。若いつもりでけっこう年がいってきたお友だちとみんなで祈願してきました。
 岡崎神社はおみくじがかわいいです。もちろんうさぎみくじ。新年になって友だちと行った後、みんなで集合写真を撮ったのも含めてご紹介。
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整列!

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気をつけ!

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円陣!

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馬蹄型!
 
どうです。かわいいでしょう。ちょっとずつ表情が違う(ように見える)のもいいですね。ほかにも「飛躍(ぴょん)」というのもあったはずです。写真は撮っておりません。あしからず。
 さて、京都のうさぎ、いかがでしたでしょうか。懸命な読者諸氏にはもうおわかりかと思われますが、次は龍です。写真の撮れそうな龍がどこにいるのかわからないので、調査・探索が必要かもしれません。今年一年は卯年にも関わらず、「ドラゴンクエスト」な年となりそうです。情報、お待ちしております。
寺院名称:三室戸寺
場所:宇治市菟道滋賀谷
アクセス:京阪「三室戸寺」駅徒歩15分(らしい)
見所:四季折々の花
うさぎ:福徳兎さん
サイトURL:http://www.mimurotoji.com/

神社名称:岡崎神社
場所:左京区岡崎東天王町
アクセス:市バス「岡崎神社前」下車すぐ
見所:うさぎいっぱい
うさぎ:狛うさぎ、黒うさぎ、招きうさぎ、うさぎみくじなど
近所:京都市動物園がそれなりに近いので、ホンモノのうさぎにも会える
(2011/2/8)

 みなさんは、京都という土地にどのようなイメージを抱いていらっしゃるでしょうか。また、何を求めて来られているのでしょう。神社・仏閣、歴史、古都、自然、建築……人によって切り口はさまざまです。その中で、忘れてはならない、しかしそれでいてあまり表だって語られないキーワードがあるのです。それは裏の世界の話――。そう、妖怪怨霊魑魅魍魎……、そういったたぐいの話は京都とは切って離せない仲なのです。
 ――そんなわけで、怪談にぴったりな蒸し暑い京の夏を、「あやかしつながり」で巡ってみました。とはいえ、いわゆる心霊スポットを訪ねたわけではありません。わざわざそんなとこ行かなくったってどうせ、みんながこぞって訪れるアノ有名観光地も、あなたの立っているソノ場所も、みーんないわくつきなのです。今回は、ちょっとした妖怪系スポット・イベントに訪問・参加してみただけのことです。
 それでは、「京の都・妖(あやかし)(もののけ)ツアー」スタート。


 じりじりと容赦なく日差しの照りつける猛々しい夏。待ち合わせ後にまず向かったのは、町家を利用したカフェ。ちょっと涼みたいですしね。それも、ふつうのカフェじゃなくて、なんとメイドカフェです。

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 その名も「妖怪堂」。実は、妖怪堂ができて(私が存在に気づいて)すぐの頃から長年行きたいと思っていたのに、なんと初訪問のこの日は閉店間際。残念でなりません。そして、かつては妖怪カレーなどもあったようなのですが、メニューは「ドリンク+妖怪話(30分)=1000円」のコースのみ。普段は日曜祝日のみに行われるコースだそうです。
 築200年とも言われる(傾いてそうな)町家の2階へ通されます。いかにも……です。エアコンはありません。ドリンクを注文し、部屋の中をしげしげと見つめつつ待ちます。
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 しばらくして、店主の葛城凶さん登場。「妖怪の話と京都の話、どちらがいいですか?」ということで「妖怪話」をオーダー。いわゆる“怪談”ではなく、妖怪とは何か、というお話。民俗学とかにも通ずるような、ね。スケッチブックや本を手に「私は妖怪見たことありますよ」「妖怪っていつ頃から描かれたと思います?」などと語る葛城さんの声に耳を傾ける私たちは、ちょっとおもしろい先生の講義を聴く学生さんのようでした。
 閉店セールとして、お店のものを売れるだけ売りに出されてました(玩具からガラスケースまで)ので、私たちも購入。「鬼」と妖怪「うわん」のお面を格安(100円と300円)でお譲りいただきました。
 またここに来たいけど、もう来られない。楽しくもせつないひとときを過ごし、「妖怪堂」を後にしました。

 さて次は、商店街に向かいます。メインイベントまでちょっと時間がありますからね。場所は一条通・大将軍商店街。人呼んで「妖怪ストリート」――。
 ぱっと見普通の(どちらかといえば地味な)昔ながらの商店街。ここの何がどう妖怪なのかと申しますと、そこかしこに妖怪がいるのです。たとえば……

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新食パンじじい リニューアルで新しくなったらしい

そして、妖怪ラーメンだの妖怪コロッケだの妖怪パンだのが商店街で売られているのです。妖怪資料館もあるようですし、妖怪解説看板もあります。

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夜道に急にあらわれ「うわん!」とさけびながら歩いている人をおどろかすいたずら好きな妖怪(以下略)

折に触れて各種妖怪系イベントも催され、妖怪好きにはたまらないところでしょう。そんな神頼みならぬ妖怪頼みな商店街が「妖怪ストリート」なのです。ああ、もっとゆっくり来たかったなぁ。

32h-yokaidensya  そしてそして。カフェ、商店街と来て、最大にして最後の目的地は、電車です。目的地に向かう手段が電車なのではなく、電車に乗ることそのものが目的です。賢明な読者諸氏にはお見通しかと思われますが、「妖怪電車」でございます。すっかり京都の夏の風物詩として定着し始めた感もなきにしもあらずな、嵐電の「妖怪電車」です。初年度に参加いたしました時のもようはブログ記事を探してご覧ください。
 四条大宮発の妖怪電車に、妖怪として乗り込みます。妖怪電車に妖怪が乗るのは50円です。ここに着くまでにたくさんの交通費をかけていますけどね。「誰が見ても一見して妖怪とわかる」ことが条件、つまり見た目は人だけど中身は妖怪なの、では許されません。そう言いたいのはヤマヤマですが、妖怪堂さんで買ったお面をつけて窓口に行き、妖怪認定証と専用切符を受け取ります。妖怪と妖怪好きの人をたくさん乗せ、いよいよ、妖怪電車の発車です。

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 妖怪堂さんの「うわん」のお面をかぶっていた私は、どうも大人気でした。(どうもというのは極端に視界が狭くてわからないのです。)「どこで買いました?」と聞かれたり、顔を見るなり泣き叫ばれたり。私としては、ずっと「うわん」を演じていたかったのですが、いたいけな幼児が本気で怖がって泣くので、やむなく時々はずしました。お面の下はとびっきりの笑顔なのに。もう、そんな小さな子、泣くに決まってるじゃん、とか言ってはいけないのです。泣く子がいるからおもしろいんですから。あ、でも、うわんだけでこれだけ騒がれるとなれば、次回参加する時のアイデアとして「うわんのお面の下にさらにのっぺらぼう面をつけておき、お面をはずすとのっぺらぼうが現れる」というのがあるのですが、のっぺらぼうを見てしまった子どもにトラウマ(心的外傷)を与えかねないので、少し考慮の余地がありますね。
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 阿鼻叫喚の妖怪電車は、途中下車途中乗車不可。途中で乗り込むのは妖怪のみ。気づけばあっという間に「嵐山」駅。次の電車の出発を待つ人たちに写真を撮られながら、オトナ妖怪のふたりは、駅ビアを一杯。

 妖怪がいると言い張るのも、いないと思うのも、自由です。私にはそれとわかるモノは見えません。が、それが単に見えてないのか、見えているのに気づいていないのか……。自分の見えているモノがほかの人の見えているモノと同じかどうかなんて誰にもわかりませんからね。だから、私の正体が何者なのかなんて、どうでもいいことなんですよ。くれぐれも鏡に映そうとかしないでください…ね……。

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カフェ名称:cafe妖怪堂
場所:左京区孫橋通新麩屋町東入大菊町…でした。
アクセス:京阪「三条」駅、地下鉄「三条京阪」下車、徒歩5分ぐらい…でした。
営業時間:13:00~22:00でした。
定休日:不定でした。今はやってません
見所:そりゃあ、雰囲気。全部。
残念:今はこの場所でやっておられません。
サイトURL:http://maekake.com/yokai_index.html(それっぽい音が出ます)
ブログURL:http://blog.livedoor.jp/maturowanumono/(現在の活動など)

商店街名称:大将軍商店街
場所:上京区一条通
アクセス:嵐電「北野白梅町」、市バス「北野白梅町」か「北野天満宮」下車、徒歩数分
見所:妖怪でにぎわう商店街
残念:妖怪ラーメン食べたかった。
サイトURL:http://www.kyotohyakki.com/

電車名称:妖怪電車
アクセス:嵐電「四条大宮」「嵐山」「北野白梅町」でから専用電車運行
実施日:8月下旬の10日間ぐらい
運賃:大人200円、小人100円(土日は無料)、妖怪50円
見所:本職の妖怪とかわいい妖怪たちと大人げない本気の妖怪と、それにおびえる幼子たち
注意:妖怪に扮装すると、場合によっては視界が遮られて自分が楽しめないことも。
サイトURL:http://randen.keifuku.co.jp/event/2010/07/yo-kai2010.html
※記事中の一部写真は、同行した酔いどれ図書館員さんが撮影されたものを使用させていただきました。ありがとうございました。
(2010/8/29)

そのようなタイミング

 いつもながらの唐突な誘いでした。いけぼうさんからの「7月○日と△日、空いてるんだけどどっか行かない?」のお誘いメールが来た時、それはちょうど夏休みの勤務調整をしていた頃でした。あと1日メールが遅ければ休みにすることもできなかったし、誘われた日がずれていたらこんなに盛りだくさんなことにはできなかった(ちょうど飼い主の出張に合わせられた)、という絶妙なタイミング。飼い主がいるとできないこと(いないからこそできること)を中心にプランを考え、題して「うの字ツアー」と相成りました。

うどんでも…の昼食と雲龍図でも…の天龍寺とうまいおやつの老松

 京都駅にいけぼうさんを迎えに出まして、ひとまずの腹ごしらえはうどん…ではなく実はラーメン。そんなことはどうでもいいのです。腹ごしらえを済ませたならば、一路嵐山方面へ。
 天龍寺にはこの時季、が見ごろではなかろうかと、当初は2日め朝の予定にしていたのです。が、翌日は雨が降りそうな予報だったので、初日に天龍寺観光。このサイト的には2度目の訪問。この日は、雲の広がりつつある夏。観光客も少なく、ゆったりとした時間を過ごすことができました。もっと蒸し暑くなって熱中症の心配をしていたくらいでしたが、おだやかでやさしい風がふきわたります。ずーっとぼーっとしていたくなるほどでした。

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 雲龍図こそ観られなかったものの、天龍寺をゆっくりたっぷりと満喫。そして、前々から気になっていたモノをゲット。それは、だるまさん。とある本で読んでから気になって仕方がなく、正直言うと蓮だ何だと言ってますがコレ目当てで天龍寺に来たようなものです。それがコレ
31b-daruma なんと、ほら、目が出るんですよ。しかも、上からのぞくと雲龍図が。ね、ステキでしょう。これをこの場にいないぬらさんの分も合わせて3つ購入し、天龍寺での目的は達成。
 時間も頃合いだったので、老松の茶房「玄以庵」でおやつをいただくことに。当然、わらびもち。「当然」って何が「当然」?……まぁ、食べてみなはれ。そんじょそこらのわらびもちではありません。1260円もする、重箱に入ったわらびもち。えもいわれぬ食感、和三盆と黒蜜の爽やかな甘さ。涼をとるのにかき氷のような冷たさなんて必要ありません。ほんのりぬくいのに、涼しげな感じ。いや、こんなことを書き連ねたからといって伝わるモノではありません。ぜひ、夏の間に京都にいらしたらお召し上がりください。写真は取り忘れました。

うなじ!うなぎ!!うかい!!!

 さ、ていったん拙宅へ戻りまして、この日、いやこのツアーののメインイベントのための準備をします。なじ」――そう、浴衣に着替えるのです。私の硬くてゴワゴワの髪も、いけぼうさん持参のコテで巻かれておとなしくなり、うまいことアップされました。帯も、うまいことアレンジして結んでもらいました。いや、着付けはひとりでできますよ。でもね、2人いるなら手伝ってもらうとよりいっそうキレイにできるのです。今回、いけぼうさんの浴衣の色柄雰囲気に合わせて、しばらく着ていなかった若いころの浴衣を着用しました。って、私の写真はないけれど。
 簡単に書きますけれど、やっぱりけっこう時間はかかりました。けっこういい時間になったので、夕食のお店へと急ぎます。
 夕食は、嵐山の「廣川」――なぎの名店です。ウチの飼い主はうなぎが苦手なので、土用の丑だろうと何だろうとうなぎはほとんど食べません。なので、出張でいないこの時がチャンス!とばかりにうなぎにしたのです。タイミングよく、ネットでちょうど「廣川」へ行った人の感想と助言を知ることができ、この日が近づくにつれ私の頭は「白焼き、ヒレ焼き、湯引き、うなぎー!!(くり返し)と思いが募るばかり。そして、いざお店に行ってみると、なんと待ち人多し!列が! 名店と名高いのですから当然と言えば当然ですが、平日ですよ。土用も関係ないのに。しまったなぁ、予約するべきでした。なんとか列に並び、急いで注文し、だがしっかり味わいつつも慌てて食べました。注文したのは、白焼き、ヒレ焼き、湯引き、うな重、ご飯。だって、白焼きが有名だし、湯引きとヒレ焼きがおいしいって教えてもらったし、でも基本のうな重も食べたいし、じゃあ2人で分けっこしたらいいじゃない、ねぇ。
さて、うなぎしか頭になかった(ほかの夕飯候補がなかった)せいで、次の予定、飼いの開始時間までギリギリです。そう、鵜飼い。船に乗って見るのです。浴衣着てたら割引(1,700円→1500円)なんですよ。そして何と、ウチの飼い主、船も苦手なんですよ。なので、もちろん数少ない乗船のチャンス。乗合船の出船時刻は19:00と20:00。問い合わせたら予約は不要、出船時刻の少し前に来てくれ、とのことだったので、急いでうなぎを食べた後に慌てて移動。どんなに混んでるのかわからず不安でしたが、こっちは平日だったためか問題なく乗船できました。
31d-sendo  さて、その鵜飼いですが、なかなかに楽しいイベントでした。もちろん川べりからでも鑑賞できますが、船が苦手でなければ、川の中から見る方がオススメです。なんせ至近距離。船からでないと見られない光景。また、船頭の(暗くて顔ははっきり見えないけれどたぶん)イケメンお兄ちゃんが、うまいこと説明してくれるのもよいです。船頭さんの近くに陣取っていたので、時折トークをまじえながらのナレーションとなりました。蘊蓄から観光情報、芸能人目撃情報まで挟んでくれます。覚えている話は「鵜の瞳はエメラルドグリーン」「“うがい”も“うなぎ”も語源には“鵜”がいる」「嵐山の鵜は長良川(ほか)からのレンタルというか出張」などなど。
 まぁでも、蘊蓄情報もいいけれど、やっぱりその情景。鵜匠さんと鵜たちの息のあったパフォーマンス。嵐山の夜の闇に、浮かぶ篝火の明かり。その「夏の風物詩」の中に、自分がいるという幸せ。最後にカーテンコールのように船の舳先に勢揃いした鵜たちを見たときは、かわいすぎて死ぬかと思いました。ぜひ、機会があれば船に乗って見てください。
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 じゅうぶんに堪能した鵜飼いタイムが終わる頃、空から雨粒が。急ぎ足でわが家へ帰りました。

うだうだと……雨中散歩

 翌朝は予報通りに朝から雨。うだうだと歩いて1日が終わりました。めでたしめでたし。……でもいいのですが、行ったとこぐらい書いて残しておこうか。
 前の日を盛りだくさんにしたせいか、この日の予定は何もなし。とりあえず朝食を近所のパン屋さんで食べて、どこに行こうかとかだうだ相談してたら、あっという間に昼近く。雨だし屋根のあるところがいいか、ということで寺町通りを目的にする感じで動きました。
31f-torotoro  お昼は、IYEMON SALON KYOTOにて。何と言っても伊右衛門ですから、出てくるお茶がおいしい。ちょっとおいしいんじゃなくて、びっくりするぐらいおいしい。あと、今回のテーマに沿いまして、オットが苦手とするネバネバ系のとろろとかの乗っかったご飯をいただきました(メニュー名は失念)。サイトに私の愛するたまごかけご飯の写真があるので期待しましたが、選べなかったんですよね。昼にないのか、何だったかよく忘れましたが、私が注文してないということは、注文できなかったということでしょう。ま、ご飯もおいしいけど、やっぱりお茶ですよ。

 それから、いけぼうさんが書道関係の道具を扱ってるお店はないかというご希望でしたので、鳩居堂さんを訪ねました。ことのほか喜んでもらえたみたいで、「私、ここで半日ぐらいつぶせる!」と息巻いておられました。よかったよかった。私も、和紙イヤリングとか買ってみました。

 あとは、ホントにただうだうだとウィンドウショッピング。お店ひやかして。おやつ食べて。電車乗って。駅に行って。お店ひやかして。お茶(試飲)飲んで。手を振って。じゃあまたね。

 ある意味、ホントにいつものように、「また明日ね」のように、すすっとお別れして、ツアー終了。今回も楽しく過ごせました。サンキュー、マイフレンド。それじゃあ、またね。

名称:天龍寺
場所:右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町
アクセス:嵐電「嵐山」駅下車すぐ、JR「嵯峨嵐山」駅下車徒歩少しなど
拝観料:庭園500円、諸堂100円、雲龍図500円
拝観時間:8:30~17:30(秋冬は17:00閉門 )
見所:立派な庭、見事な雲龍図
注意:雲龍図は土日祝のみ公開
土産:目が出るだるまをどうぞ

名称:嵐山の鵜飼い
場所:大堰川、渡月橋すこし上流へ(両岸どちらからでも)
開催期間:7月1日~9月15日
出船時間:19:00、20:00(9月は18:30、19:30)
所要時間:約1時間
料金:1700円
お得情報:浴衣で200円引き
注意:天候や水量などで中止のことも
見所:鵜匠さん、鵜ちゃん、船頭くん、などなどぜーんぶ

※今回は、食べたところの情報はもういいよね。割愛します。
(2010/7/31)

 4月下旬から5月上旬にかけて、地下鉄東山駅を降りると、「一初の寺」と書いた小さな看板が目に入るようになります。近隣でポスターも見かけます。実は、数年前から気になっておりました。そもそも、「一初」ってなんだろう、なんて読むんだろう、というところから気になっていました。気になってはいたものの、気づくと公開期間が過ぎてしまっていました。今年こそ、今年こそ…と思いながらたぶん4年めになってしまったので、ここは予定をやりくりしてでも行くべきだと思い、がんばって行ってきました。

 東山駅から南へ、白川沿いを歩きます。白川は柳がきれいです。地図で確認しておいた感じでは、南に進んで少し東に入ったところにあるもよう。さて、どこで曲がるのか私にわかるのか……と思っていたら、親切な看板が出ていたので迷うことなくたどり着けました。

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善光寺京都別院、得浄明院

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 お寺に入ればまずはお参り。と、その前に拝観料500円。
本堂に入ってお参りします。お寺の方が説明してくださるようです。私が行った時はちょうど前の方たちへの説明が終わり、私ひとり。マンツーマンで説明を聞くことができました。

――ここが長野の善光寺の別院であること。
――仏さまは阿弥陀如来、勢至菩薩、観音菩薩。ひとつの光背で三人の仏さまがいらっしゃる、一光三尊というめずらしい様式であること。それを一光三尊阿弥陀如来、善光寺如来とも呼ぶということ。
――一初(いちはつ)というのは初夏にいちばんに咲くアヤメであるから一初だということ。
――でも今年は天候が不順であまりたくさん咲かなかったということ。
(そのためか、写真を本堂に飾ってそちらを見ながら説明していただきました)
――一初は著莪(シャガ)という花を品種改良したものであるということ。
――大きなアヤメは(ジャーマン)アイリス、とのこと。こちらが今盛り。
――ご本尊の前の花曼陀羅(花で作った曼荼羅)について。カーネーションで梵字の「キリーク」をかたどっている。
――このお寺では善光寺と同じく戒壇巡りができるということ。めったに体験することのない、そしてけっして目のなれることのない真の暗闇……

 などなどの説明を受けて、いざ、戒壇巡りへ。本堂から下へと続く階段。つまり地下へ。戒壇巡り、って本当に本当に真っ暗な中を進むんですね。右手が触れている壁のみが頼り。これっぽっちも明かりが洩れてこないし、確かに目が慣れない。試しに目を閉じてみたら大して変わりませんでした。
 前後の組とは少し間があいており、しかも私ひとりでしたので、闇と静寂のみ。いや、あと仏さま(たぶん)。ご本尊の真下へ来たら鍵(錠前)があるのでそれに触れたらご利益が、ということでした。触らない、という選択肢は選べない、なぜなら暗くてどこにあるかわからないので、気づいたら触れている。そんな真っ暗闇。2時間ドラマだったら私は殺されているなぁ、とあほなことまで考えて、気づけば地上からの光が。怖いということはないのですが、“明るい”というのがこんなに有難いものかと知らされた、気がしました。
 本堂に戻り、次の方へなされていた説明を聞きながら、期間中展示されていた源氏物語の刺繍絵巻(といえばよいのかしら)をしばし鑑賞。そして記念に華葩(けは=散華)を300円で購入。

 境内に出て、一初などのアヤメたちを鑑賞。一初はかわいらしい少女のような雰囲気。ジャーマンアイリスはもうすこし豪華な貴婦人といったイメージでしょうか。

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 みなさん丁寧で親切で気さくで、たいへん感じのよいお寺でした。静かでしたし。お茶もいただけるようで、時間があればゆっくりしていきたかったです。だって、“光秀まんじゅう”とか“お大根シャーベット”とか、気になりますもの。
 また来年以降、機会があれば、いや、機会をつくって、行きたいものです。

名称:得浄明院(信州善光寺別院)
場所:東山区知恩院山内林下町
アクセス:地下鉄「東山」駅下車、徒歩5分ぐらい
拝観料:500円
拝観時間:9:30~16:00(たぶん特別拝観期間のみの拝観)
見所:一初などのアヤメ、戒壇巡り
甘味:一日限定30客「光秀まんじゅうとお抹茶」「お大根シャーベットと煎茶」各500円
(2010/5/17)

 京都でも1、2を争う大人気観光スポット…それが嵐山。風光明媚山紫水明の名をほしいままにするこの地は、古来より貴族の別荘地であったともいう。桜花咲き乱れる春、新緑輝く初夏、紅葉葉(もみぢば)で深紅に染まる秋、白雪かぶる静寂の冬――四季折々に美しい姿を見せる周辺は、常に観光客で賑わっている。特に、春と秋は、“賑わう”どころではなく“ごった返す”“身動き取れない”ほどである。
 そんな大人気の嵐山にあり、静かに、しかし最もその景観を堪能できる場所があるのである。京都の人にも案外知られていないので、非常に静かにのんびりと過ごせるスポットであり、正直あんまり知らせたくないくらいである。なので、あんまり行かないで。まぁ、そこに辿り着くまでにはそれなりの覚悟労力備えとが必要でもありますが。

 嵐山といえば「渡月橋」。その(実のところはただの)橋を、街側(北詰)から山側(南詰)へ渡ります。ごく自然の流れです。渡月橋を南方向に渡りきったそのむこうに、心ある人に見つけられる看板がある。書きなぐったような、「Great View」「絶景」といった筆文字。

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29-b  矢印に沿ってしばらく歩みを進めると、またも出てくる「Great View」。
 これは…何だろう……? 
 ここで、何も考えず眺める人、その看板の存在にすら気づかない人、ナニカの存在に興味を持ち進む人――に分かれる。もちろん、私は進みます。

「世の中には2種類の人間がいる。気づく人と、気づかない人だ」(きよこ)

 ドラクエの勇者の気分で(先に何があるかはわからないが表示を読んだらその通りに)進みます。私と同じような志(おおげさ)の人は、きっと賛同してパーティをくんでくれるでしょう。さて、道の向こうには何が待っているのか。勇者と仲間ではなく、飼い主とヒトっぽいネコが歩きます。

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 少しずつ勾配がきつくなります。片側が山、もういっぽうは川(崖)。モンスターは出ませんが、ところどころに「Great View」が出てきます。出てきたら倒す――わけではなく、シャッターを押して先へと進みます。
 
29-e  モンスターは出ませんが、敵はいます。「よわいこころ」です。挫けそうになります。なんせ山道ですから。1000m+200mの表示があります。高低差も200mあるってことです。まごうことなき試練です。
29-f ほかにも敵がいます。「かれいからくるあしこしのよわさ(加齢からくる足腰の弱さ)」です。しかし、もとは1体のスライムにも苦戦していた少年も、こういう試練を乗り越えて勇者になっていくんですよね。私もがんばります。
途中、美しい景色に心奪われたりしつつ、一歩ずつ、進みます。それしかないのです。
そうやって着いた先。もちろん、中ボスクラスの敵がいるはずです。

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「拝観料400円」

かいぬしはふたりぶん、ごうけい800Yをはらった。ちーん。

………。さて、ドラクエごっこは終わり。

 渡月橋から約2600歩(歩数計つけてました)、距離にして2.0kmauのRun and Walkを起動させてました)、30分ほど歩きまして着きましたのは大悲閣千光寺です。知る人ぞ知る古刹名刹。高瀬川などを開削した角倉了以(すみのくらりょうい)が工事関係者の菩提を弔うために創建したそうです。かの松尾芭蕉が「花の山二町のぼれば大悲閣」と詠み、句碑もあります。

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 角倉了以の像があるそうですが、先日お邪魔したときにはありませんでした。たぶん。以前に訪れた時は見た気がします。おそらく。お寺という雰囲気はあまりないのですが、一応、本来ご本尊のいらっしゃる風なところで手を合わせます。
 とにもかくにも大悲閣というのは、行けばわかりますが、気持よく遠くまで見渡せ、いい眺めです。客殿では、気のいいおっちゃん(ご住職ではない)が、説明をしてくれます。

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双岡方面

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秋が楽しみ

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トロッコ列車も

――小倉山、小倉山荘、百人一首。亀山、嵐山。双岡(ならびがおか)、仁和寺。はるか遠くの比叡山、大文字山……清水寺。
遠くに、近くに見える“京都”を案内してくださいます。その謂われや由来などもうまいこと説明してくださります。ゆっくりぼーっと眺めていると、時々トロッコ列車が眼下を走ります。汗をぬぐうように爽やかな風が吹きわたります。

29-o-tea 29-p-book  ここではお抹茶やお茶菓子も(有料で)いただけるようです。(私たちはいただいていませんが)
ノートが置いてあって、訪れた人たちが思い思いに書きつづっています。個人的には「金いるのか!」という書き込みがおもしろかったです。
先日(2010/1/25)亡くなられた、作家・北森鴻氏への追悼ノートもありました。大悲閣を舞台にした小説を書かれていたので、ファンの方たちが多く訪れているようでした。著作も置いてあります。

 

29-q-sisiodosi  お庭にはふだんはおどさない鹿威し(ししおどし)があります。
「鳴らさないのですか?」と聞いてみたところ、昼間はうるさいので鳴らないようにしているけれど、夜はしっかり機能しているとのこと。また、昼間のお客さんは少ない時は本当にわずかな数しか来ない(おっちゃん曰く「1日20人も来ればいい方」とのこと)そうですが、夜は毎夜千客万来。鹿、猿、貂(てん)、などなどでたいそうにぎわうそうです。

 それから、梵鐘があり、自由に撞けます。入山(拝観)には金が要りますが、鐘はfreeだって。

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時々妙な時刻に鐘の音が聞こえることがあるのですが、ひょっとするとここの鐘だったのかもしれません。実にfreedomです。

 初めて訪れたとき、気のいいおっちゃんは、帰り際に私たちの記念写真も撮ってくれました。
――もうすぐ紅葉(こうよう)するけどな、紅葉(もみじ)の時季はそりゃきれいやで。
――ん、そか。地元か。そんなら知ってるやろうけど、連休はずして来たらええわ。
そうやさしく教えてくださいました。
 結局、次にやって来たのは4月だったのですが、まぁ近所なので、強い意志さえあれば行けるはずです。その、強い意志というのが難しいのですが。往復で190Kcalぐらいは消費できますよ。

「大悲閣に行かずして、嵐山を語るなかれ」

とかなんとか言ってみたりして。いや、でも、一度のぼってみる価値はあると思いますよ。

※私の大悲閣への来訪は2009年10月12日と2010年4月10日の2回です。使用した写真はその2回のもので、まぜこぜになっています。写真が下手くそなのはいつものことなのでご容赦ください。実物はもっと美しいということで……。


【おまけ写真】
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割に早い段階の“途中の景色”、少し歩いた辺りの“途中の景色”、大悲閣のかわいい番犬“すみれ”くん。
名称:大悲閣千光寺
場所:京都市西京区嵐山中尾下町
拝観(入山)料:400円(お抹茶は茶菓子付きで500円)
アクセス:嵐電「嵐山」駅、JR山陰(嵯峨野)線「嵯峨嵐山」駅、阪急嵐山線「嵐山」駅のいずれかで下車。徒歩けっこうたくさん。渡月橋の南側から手書きの案内が出ているし、一本道なので、まぁ迷わないでしょう。
29-u-kutsu 服装:動きやすい服装が望ましい。歩きやすい靴で、荷物も少なめにしてリュックなど両手がフリーになるようなもの、タオルなんかも用意しておくとよろしおす。え、ヒールで登るの?やめとき。
おすすめポイント:嵐山の自然。目の前に広がる京都の景色。マイナーゆえの静けさと独り占め感。
効能?:運動不足解消、爽やかな気分、数学・理系上達(そろばんの寺として有名)
(2010/5/11)

 「寅年大参拝」とはいっても、寅年と思って行っただけで実際に参拝したのは丑年中でした。何年ぶりでしょう、鞍馬に行ったのは。貴船には何回か行ったのですが、鞍馬はすごく久しぶり。実は…そう、鞍馬寺には虎がいるらしいのです。それを写真に撮って年賀状に使いたい、ただそのためだけに、年末の押し迫った忙しい時に、紅葉もすっかり終わって寒々とした鞍馬山に、わざわざ電車(200円)とバス(220円)と電車(410円)を乗り継いで約2時間かけて、行って参りました。平安京の鬼門を守る、鞍馬寺へ――。

 時刻は午後3時すぎ。叡山電車終点の「鞍馬」駅を降りると、天狗たちが歓迎しています。「ようこそ天狗の町 鞍馬へ」ですって。でも、今日会いたいのはあなたじゃないの、とばかりに鞍馬寺へと向かいます。ほどなく、山門につきます。
 すると、山門前であっさり一対の阿吽の虎を見つけました。

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 さて、この虎さんたちは山門前にいるので、このまま拝観料を払わずに帰ることもできます。今から帰っても家に着くのは5時か……。でも、ここまで来て帰るのも、ある意味・逆に・ある反面、もったいない気も……。しばらく逡巡しましたが、えいやっ、とばかりに山門をくぐります。近くにはちいちゃな(3歳ぐらい?)女の子連れのお母さんたちの姿が見えます。

028c-cable  意を決して山門をくぐった私を待ち受けていたのは、心をうち砕こうとする恐ろしい試練と、ブッダを堕落へと誘うマーラさながらの誘惑の数々。何しろ、いきなり「九十九(つづら)折参道」という文字が見えるのです。と同時にケーブルカーの誘惑案内もあります。ケーブルカーがあるのにも関わらず、約1キロの山道を、「できるだけ歩け」という愛のある厳しいお言葉が。

「ああ、歩いてやるともよ、清少納言」

とは言っておりませんが、清少納言も歩いたとされる山道を歩いてみました。
 参道を少し歩くと、魔王の碑があります。これは、覚えています。前回友人と来たときに、「魔王と戦う勇者と僧侶」っぽい写真を撮りましたもの。アホです。でも、龍がいたのは気づかなかった。前はいなかったんじゃないかなぁ。2年後までに龍メインの神社・仏閣を見つけられなかったら年賀状はここにいたドラゴンになるでしょう。


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028e-yuki  途中には由岐神社があります。大きな杉のご神木があります。前に鞍馬に来たときは、何にも予備知識もなかったから素通りしたのか、はたまたホントに通っていないのか、由岐神社についての記憶がまったくありません。毎年10月22日夜、京都三大火祭である「鞍馬の火祭」の行われる神社です。ここで、ふんどし一丁の男たちが何かをするんですね。一度行ってみたい気持ちと、ここまで来る大変さと、その2つの思いが戦って、これまでは「行ってみたい気持ち」の全戦全敗です。だって、叡電でしか行けないし、逃げ道ないし、きっとものすごく混みますよ。「一度は見てみたい気持ち」が勝った人たちだけでも、ものすごい人数なのだと思われます。

 ただひたすら、九十九折参道を歩きます。前回は、あっさりとケーブルカーの誘惑に負けたような記憶もあります。負けたくもなります。山道ですよ。ひとりぽっちで歩いているんですよ。このへんで引き返そうかな……と思ったら、前述のちっちゃい子(と親)が歩いているのが見えて、ここで諦めたらかっこわるいぞと言い聞かせて登ります。

――九十九回折れるのは、山道ではなくて私の心であるのかもしれない。

そう思いました。途中に「本殿まで五町」とか何とか書いた石碑が見えます。一町は…109.09メートル(Google調べ)だそうです。嵐山の大悲閣が「二町のぼれば」と歌われているのだから、それの2.5倍……。大悲閣より勾配きついし。大悲閣はひとりじゃなかったし。
 何度も何度も、「来るんじゃなかった」「さっきのとこで引き返せばよかった」「私の目的は虎写真だろ、もういいじゃん」「体力ないのに私何しているんだろう」とうじうじしながらもかろうじて足を動かし続けました。すると、誘惑したり脅迫したり忙しい案内板は、ここに来て励まします。

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そして拝観料を払って山門をくぐったあの時から約40分後……

 ――辿り着いたのは、登り切った者だけが味わえる清冽なる空間。本殿に到着。眼下に広がるは平安京。京を怨霊から守るために、千年をはるかに超えるいにしえより鞍馬の寺は、鞍馬の山は、ここに確かにあったのだ。
 そして、西日に照らされ輝くのは、阿吽の虎。そう、虎もここに、しっかりといたのだ。歩いたのは間違いではなかった。雄々しくも美しい虎である。

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 しばらく、私はその空気を味わった。10分ほど、じっとしていただろうか。そして悩んだあげく、奥の院へ行くのは断念して、そこから山を下りた。昔々、鞍馬から奥の院まで行き、貴船まで歩いたこともあったような気がしてきた。逆だったかな? どっちにしろ、今より十歳以上若い頃の話だ。今はムリムリぜーったいムリ。帰りは15分だから歩いて帰れと商売気のないケーブルカーの看板を目にし、歩いて帰った。

 鞍馬の駅まで戻り、電車の時間を確認。せっかくなので(というか電車代の小銭がなかったので)電車が来るまでの間に、鞍馬の名物である「木の芽煮」「山椒しぐれ」「牛若餅」などを購入。自動販売機で温かいお茶を買い、大阪のおばちゃんが着ているような虎柄のクッションの敷いてあるベンチに座り、一服。こうして、鞍馬への参拝をなんとか無事に終えました。

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 さて、みなさんも、寅年に鞍馬の虎に会いに行きませんか?

名称:鞍馬寺
場所:京都市左京区鞍馬本町
アクセス:叡山電鉄「鞍馬」駅下車
拝観料:200円(ケーブルカー利用の場合は片道100円)
服装:山道を登るので、歩きやすい服装で・靴で。リュックなど、両手を空けられる方がよい。
注意:時間の余裕をもって挑みましょう。たぶん、冬はやめといた方がいい?
お土産:木の芽煮(など佃煮系)、牛若餅・山椒餅(など菓子系)、天狗の面(など民具系)…と多様
温泉:近くに「くらま温泉」あり。山登りで疲れた体を癒してくれることでしょう。
(2010/1/12)

 その日は、絶好の雨模様だった。

 雨、そして曇り空の似合う風景、というのは存在します。蓮の寺として有名な、ここ「法金剛院」もそう。例年より梅雨明けの遅かったこの夏、休みの日としてはめずらしくちょっとだけ早起きをし、蓮見へと行きました。蓮の見頃に合わせて「観蓮会(かんれんえ)」が行われており、通常より早く(朝7時)に開門されていました。とはいえ、そんなに早くは行っていませんが。

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 「蓮 開花」と書かれた門をくぐると、浄土もかくやとばかりに、たくさんの蓮が境内に咲いておりました。まだお浄土には行ったことありませんが。日本始め、世界各地の蓮が集められています。私が知らなかっただけで、実はかなり有名なのか、多くの人が蓮を見に訪れていました。アマチュアかプロかはわかりませんが、たいそうなカメラを抱えた人もたくさんおられました。惜しむらくは、みなさんがきれいな蓮を前にカメラを構えて動かれないので、私自身がなかなか写真が撮れなかったこと、そして落ち着いて蓮をみられなかったことでしょうか。

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017c-hasu-last  それにしても、蓮という花には何か不思議な魅力が感じられました。仏さまのお花だからでしょうか。柔らかく、それでいて気高く、……母性のようなものが感じられました。しっとりとした大人の女性が似合います。残念ながら、私はまだまだです。周りのうるさいおばさま達の団体にイライラしっぱなしでしたから。でも、静かに見た方がいいと思いますよ。静かに見るのが似合うお花、そしてお寺でしたから。
 

017d-asiato  さすが「浄土にいちばんちかい寺(たった今命名)、仏さまの足跡である「佛足石」がありました。そして生きた蓮を見た後は、作品の蓮。訪れた人が撮影した写真を飾ってあります。さすが、上手いもんだと感心しつつ眺めます。
 そして、奥へ進むと――。そこには思わず手を合わせたくなる、大きな阿弥陀さまがいらっしゃいました。本当にそこには、不思議な力があるようでした。心に届く仏さまと申しましょうか。本堂に足を踏み入れた人は、息を呑み、跪き、手を合わせ……。何とも厳かな、でも穏やかな雰囲気が漂っておりました。
 写真だけ見て奥まで来なかった人がたくさんおられましたが、もったいなかったなぁ。石清水までもうでけり、ですよ(?)

017e-amayadori  さて、雨がポツポツと落ちてきたので帰りましょう。もうちょっとゆっくり見ていたかったけど。
名称:法金剛院(ホーコンゴーインというのは言いにくい)
通称:蓮の寺
場所:右京区花園扇野町(バス停すぐ) JR「花園」駅からも近く
拝観料:一般400円
行事:観蓮会(かんれんえ):開門時間が早くなります
他の花:枝垂れ桜、紫陽花、紅葉、白い彼岸花…等々四季折々に様々な花
うんちく:様々な花が植えてあるからこの一帯を「花園」という説もある。
     関西花の寺25カ所の13番
助言:静かに見ましょう
参考資料:川井戒本・水野克比古「(京の古寺から9)法金剛院」(1995年、淡交社)
 
(2006/8/1)

 3年ぶりに訪れた法金剛院。この、「浄土にいちばん近い寺」には、秋になると彼岸花が咲きます。彼岸=あっちの世界=つまり浄土、ということでよろしいでしょうか。

 門をくぐると、さっそく真っ赤な彼岸花がやわらかな秋の陽ざしを受けています。

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 蓮の頃の大にぎわいとはうってかわって、ひっそりと静かなたたずまいの寺。先客は、大きなカメラを持った男性がひとりだけ。その方が出られた後は、独り占めでした。
 私は、ただ彼岸花が見たかっただけではありません。ただ見るだけならその辺りにも咲いているのだから。見たかったのは、噂に聞く、白い彼岸花――。

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 拝観料を払い、庭へと入る。と、すぐに目当ての白い彼岸花が。あざやかな朱色の鬼灯(ほおずき)と並んで白色の彼岸花が美しく映えます。ほおずきには、なんだか懐かしさがこみあげてきます。子どもの頃、お寺の境内墓地(つまりは自分ちの庭でもあるが)で遊んでいた記憶に結びつく。あと、おばあちゃんの…お浄土へ行ったおばあちゃんの優しい顔が思い浮かぶ……。なぜだろう。ほおずきでの遊び方をおばあちゃんが教えてくれたんだったっけ。よく思い出せないけれど、ほおずきにはおばあちゃんのイメージがあります。

 さて、花の咲いていない蓮の葉が生い茂る、その庭園の中ほどに進みます。不思議と、中に赤い彼岸花は見あたらず、白い彼岸花だけがところどころに咲いています。

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 赤い彼岸花には、のどかな田園のイメージもあるけれど、どこか狂気を帯びたかのような、あるいはの色のような、はたまたのような……そんな印象も。この花の持つというゆえのイメージかもしれませんが。一方、この日の光を浴びた白い彼岸花には、静かで、気高く、それでいて柔らかい……まさに仏さまのような印象が。
 やはり、ここは「浄土にいちばん近い寺」なのかもしれない――。
(2009/10/5追記)

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