知人が嵯峨祭に関わったので、いろいろ調べたり、見に行ったり、人に聞いたりしたので、ちょっとメモ的に覚え書きなど。

ネットで検索すると、サラッとしたことはいろんなサイトに出てくる()が、ふ~ん…って感じ。
・室町時代に始まった(らしい)
・愛宕神社と野宮神社のお祭りであり、清凉寺と大覚寺も関わる
・剣鉾差しが見られる
・嵯峨全体のお祭り
こんな感じかな。

嵯峨祭の歩み―その起源・構造・変遷―』(古川修、2008年、京都新聞出版センター)

剣鉾のまつり』(2015、京都市文化市民局)
を図書館で借りてきて勉強してみた。
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『嵯峨祭の歩み』の方は、地元の方が書かれた本らしく、いろんな記録に当たってしっかり調査されてる印象。よくわからないことも多いようで、推測の部分も多いけど、しゃあない。
嵯峨という地域の歴史にも触れて、よい本でした。

・室町時代には始まった(らしい)
1419年に、記録上の初出が見られるらしい。それ以前に、棲霞寺(清凉寺の前身の一部)のお祭りだったもよう。
各サイトによく書かれているのは、松尾芭蕉が見た、という事実。これは記録がある有名人だから話題に出すんだろうなぁ。

・愛宕神社と野宮神社のお祭りであり、清凉寺と大覚寺も関わる
これがおもしろいなぁ、と思うんですよね。お祭りって神社がやるのが多いのに、お寺が関わってる。神社も2社のお祭り(両方からお神輿が出る)。
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一方で、エリア内にある超メジャー寺院である天龍寺は前を素通り(これは不思議に思っていた)。

嵯峨祭(の巡行)は、愛宕神社と野宮神社には行かず、清凉寺(通称「嵯峨釈迦堂」、地元では単に「釈迦堂」とも)前の御旅所から清凉寺前を通り、大覚寺に行き、渡月橋を渡り、また御旅所に戻ってくるルート(ルートの一部は年ごとに違うらしい)。
御旅所は愛宕神社と野宮神社の御旅所。
大覚寺は、もともと公式主催者。清凉寺は、江戸時代まで実務主催者。
天龍寺が入らないのは、その成り立ちに大きく関わっているもよう。
大覚寺と天龍寺はどっちも後醍醐天皇にゆかりが深いですし、そのゆかり具合がいろいろあるんでしょうね、という話。
天龍寺(幕府・足利氏)側が、大覚寺(朝廷)側を牽制するかのようにあのへんに塔頭建てたという話はおもしろい。そう言われればそうかも。なんとなく、上嵯峨(現在「北嵯峨」と呼ぶ一帯)と下嵯峨と呼ばれるような地域は、雰囲気が違うような気がするのはそのせいか。
歴史についてもじっくり調べたいけど、今はこのへんで。

・剣鉾差しが見られる
これ、楽しいねぇ。
剣鉾のまつりは京都にたくさんあり、粟田神社の粟田祭がその代表格で、祇園祭の原型と言われているとか。祇園祭の鉾が「鉾」っぽくない気がしてたけど、だんだんと豪華にしていって、現在のものになってきたんだろうなぁ、と解釈。
粟田祭の剣鉾と似てるけれど、嵯峨祭の剣鉾の方が重く、また差し方も少し違うらしい。ひょっとしたら、どこのも違うのかもしれない。

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剣鉾の鉾頭に分銅みたいなのが付いていて、それをカーン、カーンと鳴らして進むのですが、この鳴らし方が違うとか。嵯峨祭の剣鉾差しは、どうやら持ち上げてからの腰のひねりが重要だとか。

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嵯峨祭の剣鉾は「菊鉾」「龍鉾」「麒麟鉾」「澤瀉鉾」「牡丹鉾」の5本。
「牡丹鉾」は祇園祭のくじ取らずみたいな、傘鉾みたいな、鉾の最初か最後かを行くらしいです。中の人に教えてもらった人に教えてもらいました。
そして、粟田祭等ほかの剣鉾差しと少し違うみたいなこと書きましたが、嵯峨祭の各鉾でも足さばきに違いがあるらしい…のですが…よくわかりませんでした。

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全ルートを鉾差ししながら進むのかと思ったら、そんなことはなく、途中はトラックで運ばれてました。
それにしてもいい音で、鉾が邪気を祓い清めながら進む、という意義が伝わるような気がしました。

お神輿の法被に入ってる紋がどこのだろう、と思って考えていたけどわからず、しかし桜を神紋・寺紋を使う例は少ないはずで…と考えていたら、嵯峨小学校の校章だとか。
嵯峨学区全体のお祭りだ、ということらしい。
ということを、ネコのミモロさんのブログで知りました。
地元が支える「嵯峨祭」。神輿や剣鉾の巡行もネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL
どうやらめっちゃ近くにいた気がしますが、見逃したもよう。ミモロさんと3度めの対面が出来なくて残念。

当日は、途中休憩をはさみながら自転車でうろうろしていたら、だいたいいいタイミングで巡行に行き当たり(というか進行を阻まれ)、何度も剣鉾差しを見物することができました。
祇園祭で推し山鉾があると追っかけしたくなる、という気持ちが少しわかったような。
ただし、渡月橋を自転車で渡るのは無謀だった。全然進めなくて…。
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まだまだ奥が深そうで、興味深い祭なので、今後の推し祭にしていきたいと思います。


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5月だけど暑いので、熱中症には気をつけましょう。