こないだ、稲妻が闇を切り裂き雷鳴が轟くなか車に乗っていましたら、携帯の緊急地震速報が鳴りました。幸い大したことはなかったものの(というか車の中だったせいか揺れには気づきませんでした)、京都も場所によっては少し揺れたとのこと。 そういえば、同じ日に竜巻注意報も出ていました。竜巻も怖いですよね。(関東で竜巻被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます) その時に、「地震・雷……と来たからあとは火事とおやじに気をつけなきゃ」という話をしてたんです。(これはわりにフツウの連想ですよね?) そしてふと、そういえば……と、確か最後の「おやじ」が「強風」(「台風」?)説もあったような気がしてきました。 もしそうだとすると、竜巻注意報が出るくらいだし、あとはおやじだけになっちゃう……とかわけのわからんことを考えていました。 後日、気になったのでこの「おやじ=台風?!説」について調べてみました。 この説は、4つのなかで「おやじ」だけ異質だよね?!……という疑問からスタートします。 「大(おお)山風(やまじ)」が訛って「おやじ」になった説、が有力でした。 たとえば→「地震・雷・火事・親父」の親父は父親のことじゃない ほうほう。 ……が、しかし。 「じしん・かみなり・かじ・おおやまじ」って語呂悪くない?!……説が出てきます。確かに。 こういう…→地震・雷・火事・おやじの「おやじ」とは? 「怖いもの」って言っておいて「地震・雷・火事」ときて最後に「おやじ」を持ってくるのは、いわゆる「オチ」ではないか、と。 うんうん、この説に賛成。 私もいろんな本や辞書類を探しましたが、「親父=台風」説はみつかりませんでした。 探した中では『絵で楽しむ江戸のことわざ』という本でその説に触れられてました。
――現代の解釈では、この世の中で恐ろしいものの順番を示す言葉、というのがふつう。ただし、中には「親父」を台風だとする説もあることはあるが、市民権を得るには至っていない。…(略)…江戸時代の古い用例もきわめて少ないうえ、怖いものの順番だといった踏み込んだ解釈の事例は見当らない…(略)…オヤジが入っていない古い絵があるように、ことによると、親父はあとでつけ加えられたつけ足し的な存在であったのかもしれないのだ。――
元々「地震・雷・火事」だけが並んでいた、かもしれないとのこと。ふむ。「おやじ」が後世のつけ足しであれば、いっそう「オチ」説が強くなるかもしれません。 調べていて、はたと思い出したのですが「おやじ=狸おやじ=徳川家康」説もあったような気が……。 秀吉が言ったとかどうとか……(白河院の「天下三不如意」みたい)。 こちらについては書物では調べるヒマがなかったので、ネット調査。 方広寺…大仏さんにまつわる話かも、ということ。 このへん…「太閤さんの夢の跡」(京都新聞:ウンポコ探検隊)とか。 お、中村軒の記事発見。「第74回 京の大仏さん(方広寺・国家安康の鐘)」(京のお菓子歳時記) ……あ。ここで触れられている黒田正子さんの『京都の不思議』、読んだことあります。 じゃあ、私はこれをぼんやり記憶していたのかな。 何にせよ、一部地域(方広寺)では「地震雷火事おやじ」の「おやじ」は「徳川家康」のことを指すことがあるようです。 さて、本日は私の「親父」殿の誕生日。 あんまり怒らないのに、静かに怖いと噂される「親父」です。私自身はあんまり怖いとは思っていませんが、本気で怒ったら怖い人だとは感じています。 地震も雷も火事もおやじも、落ち着いてくれたらいいなぁ、と思う今日この頃です。