いつでも、いつまでもそこにいるものだと当然のように思っていた。2007年11月11日、最期の時を迎えたのは、お稲荷さん。

 平安神宮の巨大な鳥居のほど近く、白川沿いの小さなスペースに、こぢんまりとしたお社があります。お名前は三谷稲荷社

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22c-mitani-minasamahe  10月の終わり頃でしたか、脇を歩いていたら、以前にはなかった貼り紙が(写真見づらくてすみません)
 この貼り紙によると、「社守の後継者が無く」なったようで、「やむなく御霊にお帰りいただくことに」なったとのこと。そして、「11月11日(日)11時」という1並びの日に「最後の祭祀」が執り行われるとのこと。想像するに、いろいろと残す方策を模索された上での、つらいつらい決断だったんだと思います。お察しいたします。
 そんなら私は最後の祭祀に参詣したかというと、残念ながら家にいました。家から三谷稲荷までけっこう遠いからねぇ。そんなわけで、最後の祭祀は見たかったのですが見ませんでした。

 さて、この三谷稲荷社はどのようなお社かと申しますと、実は詳しいことは何もわかりません。「京都大事典」をはじめ京都関係資料、神社関係資料、稲荷信仰関係資料などなど、図書館で様々な資料を探しましたが、全く見つかりませんでした。

なので、わかっていることといえば、
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平成8年11月建立(?)ということ。ちょうど11歳。(そりゃ「京都大事典」に載ってるはずがない)


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お稲荷さんだから当然狐が祀られていること。


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灯籠(?)というかろうそく台(?)の小窓がハート型だということ。知人に教えてもらいました。

それぐらいです。


 さてその後、「最後の祭祀」の後に三谷稲荷はどうなったんだろう、更地になっているのだろうか。と、ある日ふと見に行きましたら、まだ変わらないお姿……と思わせて、よく見るとやはり肝心のお稲荷さん(狐)がおられませんでした。

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 何だか、ちょっと寂しくなった出来事でした。……またいつか、ここに戻ってくることはあるのかな。

場所:京都市左京区岡崎円勝寺町(かな?)
アクセス:地下鉄東西線「東山」駅下車、徒歩数分
チャームポイント:ハートの小窓
備考:2007年11月11日をもちまして御霊にお帰りいただいた、そうです。寂しいですね。

《おまけ写真》
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「カニ」「サー」があるよ、と友人が教えてくれました。わが友人ながら、くだらなくも面白いです。

(2007/11/27)