ぶつぶつノート ~ごはんおかわり~

たとえアイコンがうさぎになろうとも、ヒト型ネコはゆずらないっ!
ごはんおかわり! お茶も!
あ、ぶぶ漬けでもどうですか?

 「ライオンの飼い方 キリンとの暮らし方」というタイトルも刺激的なら、「非日常研究会」という著者名もかなり刺激的。私の購買意欲をくすぐりまくりました。こういう、ふざけてるんか大真面目なんかよくわからないの、大好きなんです。ちなみに「非日常研究会」とは

ありとあらゆる非日常的な出来事を想定しては、会員相互の徹底的な議論と検証によってどんな人にも役に立つ完璧な解決法を編み出し、社会に貢献することを無上の喜びとする心優しいボランティア研究者の集団。(カバー折り返しより)

だそうで、実に楽しそうです。正直入会したいと思うくらいです。

 内容は、「ワンルームマンションという限定された条件下で野生動物を飼育するという、ダイナミックで夢あふれるプランの、もっぱら物理的な成立要件」(「まえがき――部屋と動物と私」より)が描かれています。各ページ下3分の1ぐらいには脚注もついて、またその脚注が私好み。本文に対するデータの補足であったり、ツッコミであったり。さらに番外編も各章についてます。とにかく、野生動物に対する深い愛情にあふれています。単純に、各動物についての勉強にもなります。なぜか、読者の恋人との仲も心配してくれます。実にいろいろと行き届いた1冊だと、感動しました。

 では、各章の感想。

 「第1章 ライオンの飼い方」を読んで
 いきなり百獣の王・ライオンです。あ、かわいいかも、何て思えません。ハイリスク、ハイコストです。飼おうなんて全く思いません。これでこの本のやり方に読者を慣らそうという魂胆でしょうか。
 できるわけないですよ。首を折って気絶させた鶏を生き餌として与える、何て。「可愛いわが子のためと思ってキュッとひねりましょう。」だって。一緒に暮らしたら自分が食べられそうです。でも、寂しがり屋で気まぐれ屋で、ちょっと見方が変わったかも、というのはあったかな。でも、やっぱりライオンは無理。

 「第2章 ゾウの飼い方」を読んで
 どうやったらワンルームでゾウが飼えるんでしょう。でも、クリアーしてました。とんでもないワンルームですが。
 確かにゾウは、「自分の仲間が他の動物の餌食となっている脇で、やおらのんびりムシャムシャと草を食むようなシマウマなんかとはエライ違」っていて、性質的にはけっこう好みですが、如何せん大きすぎです。食費かさみすぎです。どんなにかわいくても、愛情がわいても、いや、愛すればこそ、その成長に耐えられなくなりそうです。「心の通ったつきあいをした」くても、きっとイビキに耐えられません。

 「第3章 キリンの飼い方」を読んで
 実は、キリンは元からあまり好きではないのです。何か、顔が。しかも、どうもかなり静かな動物らしく、声はほとんど出さないそうです。どうせ飼うなら、かわいい鳴き声を出す動物がいいです。なお、キリンは上下2つの階の部屋を借りてぶち抜いて飼います。

 「第4章 ゴリラの飼い方」を読んで
 キリンよりゴリラの方が好み、っておかしいですか? 人間に近くて、愛嬌があって、そして頼もしい……、そんなゴリラが(キリンよりは)好き。でもやっぱり飼えないですね。
 でもでも、ちょっとだけ、ゴリラと一緒に「野生の王国」見るのもいいかな、何て思っちゃいました。赤ん坊から育てて、自分好みの賢くて優しくて頼もしいゴリラに成長させる……。しかし、私はニュース番組が好きなので、テレビの好みが合わないので、破局を迎えそうです。

 「第5章 ダチョウの飼い方」を読んで
 「こんなダチョウに親近感を覚え、ワンルームに迎えたいと考える人」に当てはまります。ダチョウとかエミュウとかキヨコとかは「扁胸類」と呼ばれるらしい。悔しいので絶対飼いません。
 だいたい、花も育てられない(何度やっても枯れてしまう)ような私に、人工孵化なんてできません。

 「第6章 ラクダの飼い方」を読んで
 編み物好きなので、ラクダを飼うのはよさそうです。黒か白あたりのヒトコブラクダでも飼って、毛を集めてセーターでも編んだら楽しそうです。ラクダはエサやりや水やりが楽そうなのもいいです。
 そしてうまく調教して、乗って散歩したいです。出勤もマイラクダで、パカパカッ、と。仕事が終われば駐輪場に私のかわいいラクダちゃんが待っている。なんて楽しいペットライフ。
 ちょっと感覚がおかしくなってる気もします。

 「第7章 パンダの飼い方」を読んで
 珍獣の王・パンダ。何がって、パンダの入手方法に感動しました。

国際犯罪組織から命を狙われる中国要人に、ひょんなことからめぐり会ったあなたが、大切な政治的役割を担った動物の飼育を依頼され、それがパンダ、ということもあるかもしれません。

そんな時が来たら、この本が役に立つのでしょう。
 それにしてもパンダは育てるのが難しいようです。それに実は生のパンダはあまり好みじゃないんです。レッサーパンダの方がかわいい気がするんだけどなぁ。でっかすぎるし、ほとんど動かないし、つぶされかねないし、パンダよりラクダの方がよかったなぁ。

 「第8章 コアラの飼い方」を読んで
 コアラは大きさといい、ふわふわ感といい、その辺は好みです。そういえば、昔コアラのぬいぐるみを持ってたけど、あれがたまに動くのが生きてるコアラなんだろうなぁ。
 その点はいいんだけど、性格の不一致で飼えそうにない模様。コアラはものすごい偏食らしく、お気に入りのほんの数種類のユーカリしか食べないとのこと。偏食はいけないです。何でも食べるようなヒトが好みですね。それから、寝てばっかりというのもイヤです。確かに私が行った動物園でも寝てた。しかも、神経質でストレスを溜めやすいらしいので、ストレスを与えないように、自分にストレスがかかりそうです。
 何よりも番外編に書いてあることが耐えられません。あの可愛いコアラにそんなアレがついてるなんて……。飼わ(え)ないけど、飼うとしたら絶対メスにします。

 「第9章 ナマケモノの飼い方」を読んで
 ナマケモノも寝てばっかりです。何せ「怠け者」ですし。でも「自然界のガンジー」と言われる(この本の中で)くらいの平和主義、無抵抗主義は見上げたものです。尊敬します。
 でも、私はナマケモノとは生活できそうにないです。きっと、ペットのナマケモノに風邪をうつしちゃうと思う。何より、私自身が怠け者だから。怠け者同士はうまくいかないと思う。哀しい運命です。ストレスの溜まっている時などたまに遊ばせてもらうくらいがよさそうです。

 「第10章 コビトカバの飼い方」を読んで
 生きた化石・世界4大珍獣のひとつ、コビトカバです。知りませんでしたが。手入れも簡単らしく、サイズも手頃。あら、カバもいいわねぇ、と思っちゃいます。「あまりきれいにしてやると、コビトカバは落ち着きません」ということで、あまりきれいにできない私ぐらいがちょうどいいのかしら、なんて。ちょっとコビトカバ、惹かれました。めずらしさもまた魅力、かな。

 「第11章 フンボルトペンギンの飼い方」を読んで
 やっぱフンボルトペンギンでしょう。だってかわいいもん。皇帝ペンギンとかは立派すぎるから、ペットではなくて観賞用。フンボルトくんはサイズ、手間、費用、どれをとってもお手頃。いやいや、待て待て。どうして部屋の改造20~30万円がお手頃なんだ? 私の感覚はどうもおかしくなってきているようです。でも、ほかの動物たちに比べると、断然お手頃価格ではあります。
 ペンギンは、愛のある家族生活を営んでいる、というのもすてきです。ほかの動物は人間からすると薄情すぎてついていけません。野獣です。基本的に一夫一婦制で、夫婦2人で子育て。
 とにかくペンギンはかわいい(と思う)。飼ってみたい。

 「第12章 アシカの飼い方」を読んで
 アザラシじゃなくてアシカです。アシカは…正直、動物園で見るだけでいいかな。かわいさがペンギンに遠く及ばない気がするし。それに「部屋をいつも整頓しておくこと」が、なかなか私には難しい。あー、アシカを飼いたかったら部屋をまず片付けろ、ってことね。でも確かに「アシカの胃潰瘍を防ぐためにお薦めするこの習慣は、結果的にいつも部屋をきれいにしておくことになり、あなたにとっては一石二鳥になるでしょう」なのかもしれません。少し、検討してみようかな。「捨て子アシカ」を見つけたら考えてみよう。

 「第13章 ラッコの飼い方」を読んで
 「ラッコ」ってアイヌの言葉だったんだ、知らなかった。ラッコもかわいいけど、飼おうとは思わないかな。小さいくせに案外たくさん食べるみたいだし、部屋の改装もたいへんそうだし。プールで一緒に背泳ぎしたい、かな。
 ただ、ラッコについての悲劇的な歴史には、涙を禁じ得ませんでした。

 「第14章 イルカの飼い方」を読んで
 とうとう、最後です。バンドウイルカです。以前に職場の先輩に「イルカはクジラなんだ」教えてもらったけど、そんな「クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科」のバンドウイルカ。いやぁ、ためになるなぁ。
 しかし、今度はワンルームじゃないです。今までもかなり無理のある「ワンルーム」でしたが、とうとう研究会もワンルームを諦めました。一戸建てか、プール付きマンションか、倉庫暮らしだなんて……。無理です。イルカは諦めます。いや、ほかのも充分無理なんだけど。
 やっぱり、充分に飼い慣らされた(調教された)イルカを鑑賞するくらいでいいです。欲を言えばイルカの背中に乗ってみたい。あるいは一緒に泳いでみたい、かな。

 結論。やっぱりペットはイヌかネコか、その辺りかな。

(非日常研究会「ライオンの飼い方 キリンとの暮らし方」2002年4月、新潮社、新潮OH文庫)

(2003/11/16)

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